おおかみと七ひきのこやぎ

もともとは人間だった、バカで年よりのわるいおおかみたちがそこらじゅうにあふれかえっている。

自分を信頼させておいて、自分を信頼した素直なこやぎを食べる。裏切りだ。倫理のかけらもない。欲に塗れ、善悪の判断を失い、自分のお金と食欲と性欲に溺れた老害ども。

ただおおかみはかならず復讐されるのだ。石を腹につめられ、井戸に落ちる。

 

知人が強姦の被害者になった。私はそのことで胸を痛めている。

信頼していた人間が、突然一口で丸飲みだ。ひとたまりもない。

しかしかならずおおかみの腹をはさみでざくざく切って助けがくる。私はいまそのおおかみの腹をざくざくきる大きいはさみを探している途中だ。急がなくては。

頭の悪いおおかみは自分がざくざく切られていることすらも気づかないかもしれない。もしかしたら眠っているかもしれない。

私は拾った石をどんどん詰める。ごつごつした石は私たちの手を傷つけるかもしれない。けれど、集めないわけにはいかないのだ。

たくさん石を詰めたら、あとはちくちく縫って、はい、おしまい。

おなかが重くて動けないかもしれないし、喉が渇いて井戸に行き中へおちるかもしれない。石を腹から出してくれと懇願するかもしれない。

しかし、もう術はない。自分のその罪の重さをただ感じるしかない。

 

強姦、倫理的な人間としての終り、年を取った頭のわるいおおかみになる

 

おおかみと七ひきのこやぎ―グリム童話 (世界傑作絵本シリーズ―スイスの絵本)

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